神奈川県立大和西高等学校
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「ひらく、大和西。」
目と心を世界に開く、未来を切り拓く、未知を啓く

                       校 長 後藤 直樹


  平成29年度
 ・1学期 始業式
 ・入学式 式辞


  平成28年度
 ・1学期 始業式
 ・入学式 式辞
 ・1学期 終業式
 ・2学期 始業式
 ・2学期 終業式
 ・3学期 始業式
 ・第29回 卒業式
 ・3学期 修了式


2017.4.6  入学式 式辞

4月に入っても、春の訪れが待ち遠しい気候が続いておりましたが、本校の入学式に合わせるかのように桜の花が咲き始めました。しばらくの間は、新入生の登校風景を薄紅色で彩ることでしょう。 

 ただ今、入学を許可いたしました 278名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。在校生、教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。また、保護者の皆様方におかれましても、心よりお慶びを申し上げます。

 本校は、昭和61年に開校し、平成18年に文部科学省からスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELhi)の指定を受け英語教育で先導的な役割を果たした後、昨年度からは神奈川県より「グローバル教育研究推進校」として指定を受けております。そして、「進路実現」と「国際教育」を二つの柱として教育活動を展開しております。

 さて、ただいま入学を許可しました278名の新入生のみなさん。

みなさんは、今、同じスタートラインに立ちました。ゴールは、卒業式の日に、みなさん一人ひとりが感じる想いです。「高校生活を精一杯にやりきった。」「目指す夢をかなえることができた。」という充実感を感じるかどうかです。「穏やかで、楽な高校生活」ではなく、「学習」「部活」「行事」の3つすべてを追いかけ、「忙しくて時間に追われる高校生活」を目指してください。今、みなさんに期待することは、困難で難しい道を敢えて選ぶことです。そのことが、この大和西の3年間を一生の宝物にする方法だと思っています。

また、みなさんには「持続して考える力」を育んでほしい。暗記で得る知識ではなく、正解のない課題を解決する方法をあきらめずに考え抜く力を身につけてほしいと思います。

いま、世界の社会情勢は大きな転換期に来ていると感じます。変化のスピードもどんどんと速くなっていき、課題も複雑化して正しい答えを導くことが次第に困難になってきています。地球環境の問題、グローバリズムの変化、情報化の加速、人工知能の進歩など、先人たちが経験していない問題が皆さんの将来に待ち受けています。この課題の正解を導き出すことは不可能でしょう。しかし、多くの人々が納得をしてよりよい世界を創りあげる事は、これからの時代を生きていく私たちがあきらめずに「考えて」いくことによって、はじめて可能になることだと思います。

そして、将来は「世界のどんなところでも活躍することができる、世界のなにかを支える人間」になってほしいと思っています。大和西(ヤマニシ)でさまざまなことに挑戦し、最後までやり遂げてください。職員一同、皆さんを3年間しっかりサポートしてまいります。

最後になりましたが、保護者の皆様には、あらためて入学のお慶びを申し上げます。今日のこの日を迎えるにあたって、感慨もひとしおだと推察いたします。職員一同、大切なお子様を責任を持ってお預かりし、しっかりと成長させてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

一つだけお願いがございます。それは、お子様の行動に対し、時にはぐっとこらえて、見守ってほしいということです。

高校時代は、生徒一人ひとりが、自分の人生を自分の力でつかみとっていく大切な時期であります。しかし、保護者の皆様から見ると、生徒が頼りなく、ずいぶんと悩み苦しんでいる時、つい手を差し伸べてあげたいという場面が数多くあると思います。

しかし、人間は失敗しながら成長していくものであります。時にぐっとこらえて、お子様がもがきながら成長していく姿を見守ることも必要かと存じます。

生徒たちの成長にとって、本校とご家庭は大きな車の両輪だと考えております。学校のことで何かありましたら、遠慮なくご相談ください。学校と保護者が連携して、生徒の成長はあるものだと考えております。

どうぞご支援賜りたいと存じます。

三年後の卒業式では、入学生全員が「大和西で高校生活をやりきった」「大和西で夢がかなった」「忘れられない出会いがあった」と思い、立派に巣立って行ってくれることを期待し、私の式辞といたします。



2017.4.5 1学期 始業式

  平成29年度が始まりました。これから、新しいクラスメイトや新入生など新たな出会いが増えてきます。新たな友人の良い所や自分にないところを見つけたら、それは、自分自身を大きく成長させるチャンスだと思ってください。

さて、今日のテーマは「グローバル人材」です。

みなさんは本校が昨年より、「グローバル教育研究推進校」になったのは知っていますか。「グローバル」とはもともとは「球状のもの」という意味だそうです。それが、「地球のような」から「世界的な」という意味になったそうです。

 「グローバル人材」というと「英語ができる人」と思いがちですが、そうではありません。簡単に言うと、「さまざまな情報を多面的にとらえ、説明し、課題解決に生かせる力」となります。世界ではさまざまな紛争や経済的な対立、テロや環境破壊、貧困、食糧危機などの課題がある一方で、さまざまな文化や歴史背景、民族としてのアイデンティティーなど私たちの知らない考え方や、ものの見方がたくさんあります。その事を知った上で、自分の考えをしっかり伝えることができる。「グローバル人材」とは、そういう人を示しています。

 たとえば、海外の高校生から「日本はどんな国?」ときかれた時に、日本文化はもちろん、日本の良い点、解決しなければならない点、政治的な特徴、歴史などをわかりやすくプレゼンすることができる事も「グローバル人材」としての要件でしょう。

もちろんできれば、英語でプレゼンができれば申し分ありませんが、まずは日本語でしっかりと話しができることが必要です。英語がうまくしゃべるけれど、中身がなくては意味がありません。JICAのHPでジャーナリストの池上彰さんは、「グローバル人材」とは「リベラルアーツ(人間としての教養)」を身につけたうえ人材とも話しています。

 そのためにはどうするか。

○  授業をしっかり受ける。教科の教養はもちろん、さまざまな教員からさまざまな考え方を学ぶことができます。

○  幅広く部活動や学校行事に取り組む。目標を達成させるために仲間と議論し考えることができます。

○  できるだけ平素から新聞や本を読む。考える力や自分の意見を持つことができます。

 慶應義塾大学の塾長であった小泉信三氏さんは「すぐに役立つことは、すぐに役立たなくなる。」とおっしゃっています。一夜漬けの勉強や暗記・詰め込みは「すぐに役立つこと」だけれども「すぐには役に立たなくなる」ものかもしれません。社会に出た後「グローバル人材」として活躍するために今大切なことは、日頃から取り組むことができるものばかりだと思います。

 つまり、目の前の高校生活を精一杯取り組むこと、だと思います。

今年の大学入試で横浜国立大学に合格した卒業生は、3年間休まず学校に通った生徒だった事を皆さんに伝えて今日の話を終わります。



2017.3.24  3学期 修了式

  いよいよ、平成28年度の修了式となりました。これからの春休みは平成29年度にむけて準備の時となります。みなさんは次の新しい年度に向け小さなことからできる事を具体的に立ててほしいと思います。

 たとえば、「1年間遅刻しない」ではなく「毎朝今より10分早く起きる」とか、「毎日勉強する」ではなく「電車の中では単語を覚える」などです。

目標を身近でできそうなことを具体的に立てることが大切です。ちなみに私の今年度の目標は「できる日は毎朝門にたって挨拶する」でした。

 さて、今回は「高校生と災害」について話をしたいと思います。

  平成23年3月11日は東日本大震災でした。平成28年4月には熊本大地震が発生し、このときも多くの尊い命が失われてしまいました。阪神淡路大地震も発生から22年の時を数えますが、いまだに人々に大きな傷跡を残しています。

 先日の3月11日は土曜日という事もあり、テレビ各局は東日本大地震の追悼番組で埋め尽くされていました。この地震で発生した福島第一原発事故や大川小学校の悲劇については今も引き続き多くの人々の生活を狂わせているところです。

 先日3月20日(月祝)、大和市保健福祉センターにおいて「高校生による福祉防災研修」第9回がおこなわれ、本校の生徒会役員が参加しました。東日本大震災を小学校5年生の時に被災し、現在16歳の宮城県立高校生の「語り部」として体験を語ってもらうという企画です。

「目の前の、手を伸ばせば届きそうな距離の方に手を差し伸ばすことができなくて見殺しにしてしまった。」とか、「避難所ではルールを守らない大人に辟易してしまった。」、「クラスの男子が冗談めかして震災のことを話した時、イラッとして机を投げつけてしまった。」などの体験談を語りました。

 「日本全国災害がおきない地域はどこにもない。被災地という言葉が使われるなら、それ以外のところは未災地です。」や「自分が語ることで助かる命が増えるなら、そこに懸けたい。」と語ったそうです。

 神奈川県は「未災地」です。しかし、1923年の関東大震災や地震後に富士山の噴火が起こった宝永地震など、当時は神奈川県も被災地でした。東北地方も明治三陸地震において1万人以上の死傷者を出していることから、当時の教訓を生かさなければならないでしょう。

 さて、みなさんはどうでしょう?災害にあう場面は学校だけではありません。学校や自宅、電車の中、時間帯も早朝や昼食時、睡眠中や入浴中かもしれません。そのとき、まず何を最優先するのか。それは、自分の命です。安全に身を守ることを第一に考えなければなりません。

次に、何を考えるか。それは、他人の命です。阪神淡路大地震のときの倒壊した家屋の下敷きになった人々の約8割を助け出したのは、一般の被災者の方々だったそうです。また、南三陸町では、津波が押し寄せてくるという町内放送を放送し続けた町職員もいました。

高校生でできることでは限られているかもしれませんが、何もしなくていいということではありません。土壇場では冷静に自分に何ができるのかを判断し、行動することが大切です。

 熊本大地震では、自らが被災している高校生達が、避難している人々のため支援物資の運搬、配給、小さい子供たちの面倒を見る、夜間の見回りなど疲れも見せず率先して携わりました。みなさんも、そういう現場に立てばいても立ってもいられなく、被災者の救援に力を貸してくれる事を信じています。

 非常時に力を発揮する人とそうでない人がいます。このことは、学校の成績とは何の関係もありません。今までの学級活動や部活動、学習や行事、さまざまな体験の中で培われる「生きる力」によるものだと思います。

 大和西高校の生徒は、ぜひ非常時に頼れる人となってほしいと思います。




2017.3.2  第29回 卒業式

  第29回卒業の279名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

皆さんが入学した3年前の入学式では、大和西高校でこれから経験することに期待をふくらませ、少しの緊張感とともに名前を呼ばれたことと思います。

 皆さんは、大和西高校での3年間で、授業や部活動、行事においてさまざまな経験を積んだことでしょう。うれしい事や感動したこと、悔しいこと、悲しいことも数多く経験したことと思います。この大和西で経験したことは、みなさんのこれからの長い人生の中で、大きな決断をする時やふとした時に、この白い校舎の風景と共に、みなさんの行動のよりどころとなることでしょう。それは、一人ひとりが精一杯、授業や部活動、行事にチャレンジしたという証だと思います。

 特に、文化祭や体育祭などの学校行事では、自分たちの手で創り上げようとする気概が感じられました。全校生徒の99%がこの行事に満足しているという結果は、卒業する皆さんが学校全体に安心感と安定感をもたらしてくれたからだと思っています。

  その皆さんが本日をもって本校を卒業していくことは、在校生徒のみならず教職員も大きな寂しさを感じざるを得ません。しかし、皆さんは今日これから、この地を巣立ち、もっと広い社会に身を置くことになります。新たな道を進む皆さんに、3つアドバイスを贈りたいと思います。

 まず一つ目は、「自ら困難な中に飛び込め」ということです。

人は困難なことに突き当たると、つらく苦しく一刻も早くそのことを解決し、楽になりたいと考えます。時間がいつもよりゆっくりと流れ、考えもまとまらず、夜も眠れないかもしれません。しかし、そんな場面を数多く経験する事で、人は強くなり、大切な時に存分に力を発揮できるものだと思います。鋼はたたかれて強くなりますが、人間も同じだと思います。一度や二度の挫折でくじけてはいけません。失敗を経験したことのない人に、大きな成功はないでしょう。

 二つ目は、「考える力をもて」ということです。

今、世界中にさまざまな課題はあふれています。環境問題、経済の問題、インターネットの普及による急速なグローバリズムや情報の氾濫、人工知能の発達、国際的なテロの増加、難民問題、人口増加に伴う食糧危機など数多くあげることができます。

身近にも、人それぞれに課題があります。もちろん、その人が所属するチームや組織、社会にも課題があります。その解決は他人がしてくれることもあれば、皆さんが率先して取り組まなければならない課題もあります。その課題に正解が常にあるわけではありません。しかし、考えることを途中であきらめ、流れに任す事は決してよい方向に進むことはありません。正解ではなくても、正解に近い答えは必ず出るはずです。考えて考え続けることが、より正解に近づく唯一の方法だと思います。

 三つ目は、「他人に関心を持て」ということです。

 近年、私たちの生活はとても忙しくなり、自分のことで精一杯のため、自分だけに関心をもち、周囲の人に注意を払わないことがとても多くなりました。SNSへの書き込みや電車やバスの中での振舞いなど、自分しかそこに存在しないかのようです。

 自分の国だけよければよいという国家元首もいます。しかし、私たちにとって、人と人との係わり合いの中で生きることが、最も重要で大切なことではないでしょうか。スペインのことわざに「山は山を必要としないが、人は人を必要とする」というものがあります。人間は一人では生きていけないものであるという事を再認識してほしいと思います。

 人とのつながりに関心を持ち、「お蔭様でありがとう」と感謝の気持ちを表すことが、グローバル社会で生きていく中でもっとも大切な気持ちだと思います。

  世界は今、大きなターニングポイントに来ているように思います。正解のない時代、人それぞれが異なった課題に頭を悩ませ、答えを導き出すことのできない時代に入ってきています。大和西で学んだすべての力を生かして、自らの力で「考え抜いて」、次世代を創りあげていく一人となってください。

人はなぜ生きているのかという問いには、「感動」するために生きているのではないかと、私は時々思います。「感動」するためには、困難に一生懸命取り組み、人を思いやることで、本当の「感動」を得ることができると思います。

 最後になりますが、保護者の皆様におかれましては、3年間最後まで本校の教育にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。 時には至らない点やご心配をおかけした点も多々あろうかと存じますが、今後も引き続き大和西高等学校を、暖かく見守っていただければ真にうれしく思います。

 結びに、第29回卒業生279名が、これから立ち向かう困難に自らを奮い立たせ、考える事をあきらめず、世界のどこかで誰かを支える人となる事を期待し、私の式辞といたします。

 




2017.1.6  3学期 始業式

 今回は、「スモールステップ」という話をします。

昨年末、OECD諸国が行う国際学力到達度調査(PISA)の結果が報じられ、日本は科学的リテラシー、数学リテラシーがOECD35ヵ国中1位と好成績を収めました。

また、一方で2013年の内閣府の13歳から20歳を対象としたインターネット調査では、自分自身に満足している人の割合が45.8%とアメリカの86%のほぼ半分という結果になりました。他のカナダ、フランス、スウェーデン、ドイツ、フランス、韓国のどの国よりも格段に低い結果が出ています。

 自己肯定感を高めることが積極性を高めることはよく知られています。大きなチャンスを積極的につかみにいくか、しり込みをしてチャンスを逃してしまうか、日本の若者は後者のタイプが多いのかもしれません。

 なぜ、日本の若者の自己肯定感が低いかは皆さんそれぞれの意見や専門家に任せるとして、自己肯定感を高めるにはどうしたらよいか、一つの方法をお話しします。それは、毎日、スモールステップで小さな成功体験を積み重ねることです。 

たとえば、今まで全く家庭学習をしなかった人が自分の好きな時間に好きな勉強を10分間ずつ続けること、トレーニングの回数をノルマより1回だけ多くやること、今までより朝10分早起きして学校に余裕で間に合うことなど、自分の役に立つことならなんでも始めてみましょう。こういう小さな成功体験を続けることによって、自分に自信がつくことになると思います。

今年は、このスモールステップを一つ決めて、できない日があってもあきらめず続けてみましょう。

さて、3年生の約160名の皆さんは1月14日から始まるセンター試験を皮切りに受験シーズンが本格的に始まります。くれぐれも体調に留意し、十分に力が発揮されることを願っています。頑張ってください。

今年一年間が皆さんにとって、実り多い一年であることを願って、話を終わります。

 




2016.12.22  2学期 終業式

  今回の講話は「情報を読み取る」です。

いよいよ平成28年も残すところ後わずかとなりました。皆さんにとって平成28年はどんな年だったでしょうか。

 今年の流行語大賞は「神っている」、今年の漢字は「金」でした。
今年の大和西高校の重大ニュースは、「創立30周年」だったのではないでしょうか。全校合唱「栄光の架け橋」をはじめとしたみなさんの発表は、来賓の近隣中学校、県央地区の校長先生方からたくさんのお褒めの言葉をいただきました。皆さんの協力に感謝します。
 30周年というのは、学校としてはまだまだ若いのですが、みなさんの一つひとつの取組が見えないレガシーとなって今後も残っていくことと思います。

さて、日本や世界に目を移すと今年はいろんなことがありました。「長野スキーバス転落」「熊本地震」「パナマ文書公開」「リオデジャネイロオリンピック」「オバマ大統領広島訪問」「18歳選挙権施行」「相模原市障がい者施設殺傷事件」「フランスやドイツにおけるテロ被害」など、あげればきりがありません。
 中でも私が気になる世界の中の重大な出来事は、イギリスのEU離脱が国民投票で決まったこと、アメリカでは次期大統領がトランプ氏に決まったこと、韓国では大統領の弾劾が可決されたことなどがあります。特に、イギリスとアメリカの例では大方の予測と違ったものであったし、韓国の例は最初の報道から大統領の弾劾決議になるなど予想もつきませんでした。
 国民の意思で決められたイギリス、アメリカ、韓国の3つの国の今後の動向に注目すべきであるし、日本人のわれわれもその事を参考にしなくてはならないと思います。

 インターネットにおけるSNSなどの普及で「ローマ法王がトランプ候補を支持した」「ヒラリー候補がイスラム国に武器を売っている」「肩こりは幽霊が原因?」などとありえないニュースがインターネット上の記事にあると「ホント?」と思ってしまうことがあります。それは、記事の筆者は閲覧数が増えると広告収入が上がるため、よりエキセントリックな表題の記事を書いてしまう傾向があるそうです。
 読者の私たちは内心、「うそでしょ?」と思っても、そのことに関連する知識や思考・判断力を働かせないと、つまり思考を停止させたままだと誤ったまま信じ込んでしまう事もありそうです。

 現代社会において、今の私たちに求められているのは、情報を正しい内容かそうでないかを判断し、世の中を読み取る力だろうと思います。かつて情報は、人伝いに広がり、誤った情報が広く流布することがありました。しかし、現代ではその逆で、多くの情報から正しいものを取捨選択し、さらにたくさんの情報から自分なりの解答を作り上げなくてはならない時代となっているように思います。

みなさんがなぜ勉強しなくてはならないのか、それは世の中を読み取る力を持ち、人の意見に流されない自分の意見を持つためだと思います。

 2週間ほどの冬休みですが、1,2年生は年末年始の間に生活習慣を崩さないように気をつけながら、新聞や本をたくさん読んで欲しいと思います。受験を控えている3年生は、くれぐれも体調を気遣いながら、たまには運動して調子を整えてください。





2016.8.29  2学期 始業式

  長い夏休みが終わり、皆さんの元気な顔を再び見ることができて、うれしく思います。さて、2学期が始まるにあたって話をします。今日のテーマは「守・破・離」という言葉についてお話します。
 「シュ・ハ・リ」とは、漢字で書くと「シュ(守る)・ハ(破る)・リ(離れる)」と書きます。武道に伝わる言葉で 習い始めは師匠の教える型を守りなさい、次に、師匠の教える型を自分に合う型を見つけなさい、そして最後に、師匠の教えから離れて独自の型を見つけなさい、と言う教えです。 

話は少し変わりますが、今年の夏は「リオデジャネイロのオリンピック」のさまざまな競技に感動した人も多いのではないでしょうか。大会が始まってすぐの金メダリスト 萩野選手が出場した400m個人メドレー決勝を見たときに感じたことですが、泳いでいる選手を見るとその泳ぎ方にほとんど差は感じられませんでした。速く泳ぐための基本的なテクニックは変わらないのだなと感じましたが、ブールサイドに立つ選手を見ると、長身の選手や筋肉質の選手など体型にずいぶんと差があることがわかりました。やはり、速く泳ぐための基本的なテクニックは変わらないが、それぞれの素質にあった独自のテクニックを編み出しているのだと感じました。
 このことは、すべてのことに当てはまるような気がします。まずはしっかりと基本を師匠に教わりながら身につける。そして、自分に合った方法で進歩させる。最後に、人にはまねのできない、唯一無二のテクニックを身につけることが、オリンピックでメダルを取るには必要なことであると感じました。

 1学期の最後に、人工知能やロボットがもたらす未来についてお話をしました。人工知能やロボットは、人間が作り上げたもので、人間が過去に行なったさまざまな型を正確に間違わないで実行できるよう設定されています。いわゆる「守」を完璧にこなすことができます。しかし、「破・離」の部分、新たな工夫や創造が苦手であろうと思います。
 私たちは、新たな事柄に挑戦するとき、「守」を確実に実行し、「破」を工夫しながら発見し、「離」まで到達するようにしなければならないのかもしれません。世界的な発見・発明をしたり、偉業を成し遂げた方々には、われわれの真似のできない発想や努力があったことと思います。
 注意しなければいけないことは「守」があって、「破・離」があります。いきなり、「離」まで到達することは決して無いと言うことです。みなさんにとって、学校での「守」は授業であり、部活であれば先生や先輩の指導です。師匠の指導なしには「離」まで到達することはできないでしょう。「基本徹底」「凡事徹底」の精神で、2学期を送ってほしいと思います。

 これで始業式の話を終わります。




2016.7.22  1学期 終業式

 いよいよ夏休みが始まりますが、この休み中にみなさんに考えて欲しいことを話したいと思います。それは、「みなさんの生きる未来」についてです。
  これから話すことは、7月4日の朝日新聞朝刊の天声人語に書かれていた内容です。

1903年、アメリカのミシガン貯蓄銀行の頭取は、自動車についてこう語ったそうです。馬は生活に浸透しているが、自動車は珍しいだけの流行に過ぎない、と。当時、あたらしい会社であったフォード自動車に投資しないほうが良いとのアドバイスでした。
 「コピー機の市場規模は、世界で5千台だろう」というのは、1940年台のアメリカ電機メーカーの首脳の言葉です。
 また、未来学者のアルビン・トフラー氏は1980年に「神経網のような情報システムを基盤とした産業社会」、つまり、インターネットを予言したそうです。もちろん、インターネットが世界的に、かつ、家庭まで普及したのは2000年になってからと言っていいでしょう。今から、たった16、7年前のことです。
 かつては、「自動車」も「コピー機」も「インターネット」も今のように普及するとは多くの人々は思っていなかったようです。
 一方、3月には、ついに人工知能が少なくとも10年間は勝つことは難しいであろうと言われていた韓国の囲碁世界チャンピオンに勝ちました。
 また、ロボットは東大に入れるかという命題で開発されている「東ロボ君」は、2014年のマーク模試で偏差値47.3だったものが2015年マーク模試では偏差値57.8になったそうです。得意な科目は、数学や世界史、苦手なものは英語と国語だったようです。

このことはいったい何を意味しているのでしょうか。

「みなさんの未来は、現在の常識とはかけ離れている」ということです。昨年12月、野村総合研究所では10~20年後には日本の労働人口の約半分の職種が、人工知能やロボットに置き換えられる可能性が高いと試算されています。また、グーグルのCEOは20年後には90%の人が今と違う仕事をしていると発言し、オックスフォード大学では47%の仕事が機械に代行されるようになるという試算がされているようです。特別な知識やスキルの必要のない仕事の多くが、人工知能やロボットに置き換えられてしまうでしょう。創造性が必要な仕事やコミュニケーションを重視する仕事は生き残っていくのかもしれません。

みなさんの希望する職業はいかがですか? 

この夏休みには「今、どのようなスキルを身につけなければいけないのか」「何をどのように学ぶのか」を考えてほしいと思います。人工知能やロボットにできないスキルを身につけていかなければ、将来の仕事が人工知能やロボットに取って代わられるかもしれません。考える時間はたくさんあると思います。




2016.4.6  入学式 式辞

 さて、新入生のみなさん。
 大和西高校の新しい学校生活に大きな期待と少しの不安を抱いていることと思います。 

 そこで、大和西の高校生活を有意義にするために、皆さんに実行してほしいことを二つ述べたいと思います。 

 一つ目は「自分を掘り下げる」ということです。 

自分の将来の目標は何なのか、自分は何をしたいのか、何をすることが生きていく目的なのか、自分は社会で何ができるのか と常に自分の心に問いかけてください。
 自分を見つめ、確固たる自分を創りあげてほしいと思います。他人の考えを尊重しながらも自分の意見を持ち、自分の考えを上手に人に伝えられる人間になってほしいと思います。
 このことが、自分だけでなく、友人や仲間をさらに成長させることにつながると思います。 

 二つ目は「二兎を追え」ということです。 

 「二兎を追うものは一兎も得ず」ということわざがあります。つまり、欲張ると失敗する という意味です。しかし、高校時代は是非「二兎」いや「三兎」でも追ってほしいと考えています。高校時代には様々な体験を、次から次へと絶え間なく経験するぐらいがちょうどいいと思います。
 スピード化された現代社会において生き抜くための力を身につけるために、少ない時間を調整し、自己管理をして、学習だけではなく部活動や生徒会活動、ボランティア活動、校外学習など数多くの経験や体験を積み重ねてほしい。
 結局、高校時代にいくつも両立させることができた生徒が社会で活躍し、成功していると思うからです。

 将来、皆さんが活躍する社会は、今、どうなっているか。

少子高齢化や人口減少によってもたらされる社会福祉や医療の問題、世界各地で起こるテロ活動など、混沌とした国際情勢において日本はどのように国際貢献していくのかという問題、その他にも、東日本大震災における復興問題、温暖化に代表される環境問題など、すぐに答えの出る問題はありません。

 これらの問題に対しては、私たち大人が責任を持って方向を示さなければならないところです。しかし、解決策を示し問題が解消されるまでの時間は相当長い時間がかかると容易に想像できます。

 また、みなさんは、18歳になった時に選挙権が与えられます。今申し上げた様々な問題について、積極的に自らが考え、判断し、その考えや判断を他者に的確に伝えることが有権者として責任ある態度となるでしょう。
 そのとき、この大和西高校で培った学校生活での多種多様な経験を生かして、積極的に社会参画していってほしい、と思っています。 

この複雑化したグローバル社会において、考えて、考えて、考え抜いても答えの出ない難問に正面から立ち向かうことのできる西高生となって、三年後にたくましく卒業していってほしいと思います。
 

最後になりましたが、保護者の皆様には、あらためて入学のお慶びを申し上げます。

 一つだけお願いがございます。それは、お子様の行動に対し、時にはぐっとこらえて、見守ってほしいということです。

高校時代は、生徒一人ひとりが、自分の力で社会に独り立ちしようとする大切な時期であります。しかし、保護者の皆様から見ると、越えられそうにない壁にぶつかったり遠回りして、ずいぶんと悩み苦しんでいる時、手を差し伸べてあげたい、正解を教えてあげたいという場面が数多くあると思います。

しかし、人間の成長には失敗が必ず必要です。失敗したときに再び立ち上がってくることができるようサポートしていただきたく存じます。

生徒たちの成長にとって大和西高校とご家庭は大きな車の両輪だと考えております。学校のことで何かありましたら遠慮なく相談いただき、生徒の学校での様子についてもご質問ください。学校と保護者が連携して、生徒の成長はあるものだと考えております。
 どうぞ、ご支援賜りますようお願い申し上げます。

 三年後の卒業式で、「大和西を堪能した」「充実した三年間だった」と生徒・保護者の皆様が思い、生徒全員が立派に巣立って行ってくれることを心から願い、私の式辞といたします。




2016.4.5
 1学期 始業式

いよいよ平成28年度が始まりました。また、今年度は11月に創立30周年式典を迎える特別な年となります。このような年に赴任できたことを大変喜ばしく思っております。これからも、大和西高校の伝統と歴史を引き継ぎ、さらに大和西が進化し発展できるよう一丸となって力を尽くして、いきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 毎回の校長の話の中では、テーマを絞ってお話ししたいと思っています。

 今日のテーマは、「異文化コミュニケーション」ということです。
 今日から新しいクラス、新しい担任、新入生の入学と新たな出会いがさまざまな場面で繰り広げられます。最初は、話しやすそうな人、楽しそうな人、趣味が合いそうな人、昨年まで友達だった人と話し始めることが多いでしょう。でも、今年は一歩進んで話しにくそうな人、会話が弾まなさそうな人、昨年までまったく交流できなかった人ともコミュニケーションをとってほしいと思います。
 最初は、ギクシャクするかもしれません。会話も長続きしないかもしれません。でも、そのような人と上手にコミュニケーションをとるためには「相手の人と交流したい」という気持ちが大切だと思います。
 このような交流は、狭い意味での異文化コミュニケーションだと思います。興味や趣味が一緒で、話が合う、うまがあう、話しが盛り上がる人とだけのコミュニケーションでは、やはり、人間の幅が狭くなる気がしませんか?たくさんの人とコミュニケーションをとることで、今までまったく知らなかったことや新しい視点、考え方などを体験することになるでしょう。そのことが、皆さんの成長にもつながり、将来での良好な人間関係を構築するためにも力を発揮するものだと思います。
 話は少し変わりますが、今年の4月1日から「障害者差別解消法」という法律が施行されました。この法律は障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として、サービスの提供を拒否したり、さまざまな条件をつけてサービスを行わないことを禁じた法律です。
 また、日本は平成26年4月にユニセフの「子供人権宣言」を採択しました。神奈川県では、障害のあるなしにかかわらず、すべての児童生徒が同じ学校で生活をすることを保障するインクルーシブ教育が推進されています。
 身近な友人や、クラスメイト、ここにいる生徒すべてに、さまざまな個性があります。自分とは違う個性を持った人々と積極的に交流を持つ。このことは、日本文化とは違った海外の文化と触れ合う、大きな意味での異文化コミュニケーションにつながって来るものだと思います。海外の文化に触れることも大切ですが、今日からは、まず、身近な友人という異文化に触れて、さまざまな人と積極的にコミュニケーションをとってください。そうすると、新たな自分の可能性も発見することができるかもしれません。

以上であいさつを終わります。











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